日本の最西端、沖縄。琉球王国時代の文化や自然が今なお根強く残り、この土地を彩る。泡盛や海ぶどう、ゴーヤーなど、陸に、海に、様々点在する特産品。本土では味わえない味覚に溢れている。
 農業地帯で代々お茶をつくっている金城町琉球紅茶生産組合の与儀実栄さんと、息子で金川茶業組合品質管理の比嘉竜一さん。茶葉の生産からお茶の製造まで、一貫して取り組んでいる。
 実生在来(みしょうざいらい)と呼ばれる、台湾から取り入れた種子から作られたお茶から始まり、その後は本土から伝わってきた緑茶の生産へと移り、代々受け継ぎ、進化してきた「沖縄の茶文化」。そして現在、新たな「沖縄の茶文化」を描き始めている。

 

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 先祖代々農業を営み続けたこの地で、お茶栽培を始めたのは昭和三三年のこと。

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 与儀さんは三代目にあたる。その後を継ぐ息子の比嘉さんは、小さい頃から父の背中を見て育ってきた。
 「小学生の頃から一緒に畑に行って、工場で働いてっていう中で、手伝っているという意識はなく、一緒にいる中で自然と手伝っていたので」。子どもの頃の経験が、栽培から製造までを担う「プロの感覚」を育てた。

 

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 「べにふうき」という茶品種には、抗アレルギー成分「メチル化カテキン」が含まれる。この成分には、花粉症を抑える効果があるとされている。国内で一番メチル化カテキンの含有量を増やすことができる地域は沖縄とされ、その試験の依頼を受け、べにふうきの栽培を始めた。
 べにふうきは、紅茶系の品種だが、紅茶の工法を用いると、メチル化カテキンは消滅してしまうため、緑茶としての製造を開始。評判はたちまち世間に知れ渡ることとなり、軌道に乗り始めた。
 ところが、九州でべにふうきの大規模な収穫があり、ヒットした。小規模である沖縄での生産は不利な立場へと追いやられた。生き残りをかけ、本来の用途である紅茶としての販売へと変遷していった。
 「本と専門家の方に基本を聞いて、実際作って、やはり基本の作り方は沖縄には合わないということで、毎年その年ご

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とに勉強して、次の年、次の年とどんどん良くなるやり方で、ほぼ我流で来ていますね」
 緑茶だけを作り続けた2人にとって、未知への挑戦であった。基本的な工程から学び、この土地に適した製法へとアレンジをくわえ、常に研究し続け、そしてこの土地でしか作ることのできない、唯一無二の紅茶が完成した。今もなお、沖縄の茶文化の更なる進化を追い続ける。

 

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 「もっとどうしたらいいかと、この年頑張って、また次の年頑張ってっていう、お茶の芽が採れる時しか実験ってできないんで。挑戦は一年に一回です」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 基本的な製法に従て作っていては、生き残れない。その思いから、常に改良を繰り返している。改良の成果、そして沖縄という土地柄が生み出したコク深い、うまみがしっかり込められた小意気な味わい。
 紅茶の生産が始まり今年で五年目。紅茶にかける熱意と愛情が生み出した五年目の味が今ここにある。

 

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 研究上では、紅茶の製法では、メチル化カテキンは存在しなくなってしまうのだが、沖縄紅茶によって、花粉やアレルギーの状態が軽くなったという声もあるそうだ。医学的、科学的にはまだ解明されていないが、もしかしたら、沖縄で育った茶葉には、秘められた力があるのか

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もしれない。
 「緑茶と違って、世界に普及しやすい、加工しやすい。飲んで良し、食べて良し。料理にも使えるし、バリエーション豊かなんです」。
 緑茶は日本固有の飲料であり、外国人の中には緑茶を苦手とする人々も少なくはない。だが、紅茶は世界的に飲まれ、料理においても、アイスクリームやケーキ、更には煮物までと幅広く、普段の味を豊かにする。「沖縄」を世界へ繋げるためには、紅茶は必要不可欠な素材かもしれない。

 

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 自分たちにしか出せない個性を求め、迎える六年目。
 「やっぱりクセがある方が記憶に残るので。来年もちょっと冒険する感じなんですけど、もっと、うちらしい個性っていうのを求めていく段階ですね」。
 生産から製造までを一貫して自らが行うからこそ、自らの挑戦と結果の結びつきが可視化されるという。そしてそれは、自信へと結びつき、更なるステージへと踏み出すことができる。

 

 受け継がれてきた沖縄の茶文化を次世代へ繋げるため、常に生き残りの道を探り続けてきた金川茶業組合。金川茶業組合の技と心には、茶文化だけではなく、沖縄の、そして日本の一次産業の進化にとっても、必要な要素が込められているのではないか。唯一無二の味わいを求め続け、改良を重ね、これからも進化し続ける沖縄紅茶から目が離せない。

 日本の最西端、沖縄。琉球王国時代の文化や自然が今なお根強く残り、この土地を彩る。泡盛や海ぶどう、ゴーヤーなど、陸に、海に、様々点在する特産品。本土では味わえない味覚に溢れている。

 農業地帯で代々お茶をつくっている金城町琉球紅茶生産組合の与儀実栄さんと、息子で金川茶業組合品質管理の比嘉竜一さん。茶葉の生産からお茶の製造まで、一貫して取り組んでいる。

 実生在来(みしょうざいらい)と呼ばれる、台湾から取り入れた種子から作られたお茶から始まり、その後は本土から伝わってきた緑茶の生産へと移り、代々受け継ぎ、進化してきた「沖縄の茶文化」。そして現在、新たな「沖縄の茶文化」を描き始めている。

 

-「沖縄の茶文化」

 先祖代々農業を営み続けたこの地で、お茶栽培を始めたのは昭和三三年のこと。

 

 与儀さんは三代目にあたる。その後を継ぐ息子の比嘉さんは、小さい頃から父の背中を見て育ってきた。

 「小学生の頃から一緒に畑に行って、工場で働いてっていう中で、手伝っているという意識はなく、一緒にいる中で自然と手伝っていたので」。子どもの頃の経験が、栽培から製造までを担う「プロの感覚」を育てた。

 

-沖縄で作られた紅茶を知っていますか?

 「べにふうき」という茶品種には、抗アレルギー成分「メチル化カテキン」が含まれる。この成分には、花粉症を抑える効果があるとされている。国内で一番メチル化カテキンの含有量を増やすことができる地域は沖縄とされ、その試験の依頼を受け、べにふうきの栽培を始めた。

 べにふうきは、紅茶系の品種だが、紅茶の工法を用いると、メチル化カテキンは消滅してしまうため、緑茶としての製造を開始。評判はたちまち世間に知れ渡ることとなり、軌道に乗り始めた。

 ところが、九州でべにふうきの大規模な収穫があり、ヒットした。小規模である沖縄での生産は不利な立場へと追いやられた。生き残りをかけ、本来の用途である紅茶としての販売へと変遷していった。

 「本と専門家の方に基本を聞いて、実際作って、やはり基本の作り方は沖縄には合わないということで、毎年その年ごとに勉強して、次の年、次の年とどんどん良くなるやり方で、ほぼ我流で来ていますね」

 緑茶だけを作り続けた2人にとって、未知への挑戦であった。基本的な工程から学び、この土地に適した製法へとアレンジをくわえ、常に研究し続け、そしてこの土地でしか作ることのできない、唯一無二の紅茶が完成した。今もなお、沖縄の茶文化の更なる進化を追い続ける。

 

-沖縄特有の気候が生み出す

-個性あふれる味わい

 「もっとどうしたらいいかと、この年頑張って、また次の年頑張ってっていう、お茶の芽が採れる時しか実験ってできないんで。挑戦は一年に一回です」。

 

 基本的な製法に従て作っていては、生き残れない。その思いから、常に改良を繰り返している。改良の成果、そして沖縄という土地柄が生み出したコク深い、うまみがしっかり込められた小意気な味わい。

 紅茶の生産が始まり今年で五年目。紅茶にかける熱意と愛情が生み出した五年目の味が今ここにある。

 

-沖縄紅茶の魅力

 研究上では、紅茶の製法では、メチル化カテキンは存在しなくなってしまうのだが、沖縄紅茶によって、花粉やアレルギーの状態が軽くなったという声もあるそうだ。医学的、科学的にはまだ解明されていないが、もしかしたら、沖縄で育った茶葉には、秘められた力があるのかもしれない。

 「緑茶と違って、世界に普及しやすい、加工しやすい。飲んで良し、食べて良し。料理にも使えるし、バリエーション豊かなんです」。

 緑茶は日本固有の飲料であり、外国人の中には緑茶を苦手とする人々も少なくはない。だが、紅茶は世界的に飲まれ、料理においても、アイスクリームやケーキ、更には煮物までと幅広く、普段の味を豊かにする。「沖縄」を世界へ繋げるためには、紅茶は必要不可欠な素材かもしれない。

 

-進化を続ける紅茶

 自分たちにしか出せない個性を求め、迎える六年目。

 「やっぱりクセがある方が記憶に残るので。来年もちょっと冒険する感じなんですけど、もっと、うちらしい個性っていうのを求めていく段階ですね」。

 生産から製造までを一貫して自らが行うからこそ、自らの挑戦と結果の結びつきが可視化されるという。そしてそれは、自信へと結びつき、更なるステージへと踏み出すことができる。

 

 受け継がれてきた沖縄の茶文化を次世代へ繋げるため、常に生き残りの道を探り続けてきた金川茶業組合。金川茶業組合の技と心には、茶文化だけではなく、沖縄の、そして日本の一次産業の進化にとっても、必要な要素が込められているのではないか。唯一無二の味わいを求め続け、改良を重ね、これからも進化し続ける沖縄紅茶から目が離せない。