2011 年3月11 日に起きた東日本大震災。その余波は日本から遠く離れたカンボジアにも及んでいた。カンボジア、プレイベン州にあるカンボジア日本友好学園は1999 年、コン・ボーン氏が日本の支援をもとに設立した。同氏はかつて日本の報道機関の現地助手を務めていたが、それを理由にポルポト派に追われ、虐殺の一歩手前で逃げ切った経験を持つ。友好学園の運営は日本の企業や民間団体の資金援助に頼っており、震災後、援助が減り、学校運営が窮地に陥っていた。
そこで立ち上がったのが、徳島商業高校のビジネス研究部だ。経験と実績をもとに、カンボジアの食材を使ったスイーツ開発に乗り出した。収益の一部を友好学園の運営にまわし、自立できる仕組みを作ろうという作戦だ。
2013 年夏、同部の生徒たちはカンボジアを訪れた。両校の生徒たちは商品開発を目指して語り合った。言葉こそ通じないが、身振り手振りを交えてコミュニケーションを深め、心を通じ合わせた。徳島商業の生徒たちは帰国後、さっそく商品開発に取り掛かった。一方、友好学園の生徒たちも、商品づくりの模索を始めた。
みやげ物を見たこともない友好学園の生徒たちと、商品開発に手馴れている徳島商業の生徒たち。プロジェクトが進むにつれ、互いの意見はすれ違い、その歯がゆさに苦悩する。  
しかし、みなの思いは同じだった。「この学校を救いたい」。
カンボジアは今、経済発展を遂げるための大きなうねりの中にある。このプロジェクトは蒔かれた種の一つであり、新たな未来への第一歩となる。これからも未来を目指して商品開発は続いていく。
全ては自分たちの未来のために―。