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Q あかりをつくろうと
      思われたきっかけは
 
わたしの実家は吉野の製材所で、幼いころから吉野の材は身近にありました。短大を卒業して、インテリアの仕事がしたいと考え、設計事務所を経て専門学校へ通ったんです。そこで、照明デザインに出会い、照明というのは単なるインテリアではなく、心理学だと教えてもらったんです。居心地の良い空間に重要な要素となるのは、くつろげる照明であると。その時「ライトテラピー」という言葉を学び、ああ、これだ、と強く惹かれたんですね。
 
Q ライトテラピーですか
 
ひと言でいうと、人に癒しを与えるあかりというのでしょうか。電気のない時代、

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太陽、月、炎というのが自然の中にあるあかりでした。ところが、ここ百年ぐらいの間に人間は日没後も電気による人工の白いあかりを浴びるようになったんですね。自然界にはない、そういう不自然なあかりが今の私たちの周りには多すぎるんです。暗いあかりというのかな、そういうあかりが実は必要なんだ、と。ちょうどそのころ、吉野の良さにも気付き始めていたんです。高校時代から大阪に十年通っていて、田舎だと思っていた吉野が、実は歴史的にも特別な所で自然も美しいって、それで、オレンジ色といえば、吉野の夕日だと思い、幼いころから親しんでいた吉野ヒノキをつかってその色を出してみようと、思い立ったんです。わたしがつくるあかりでストレスの緩和のお手伝いができればいいな、とも思いました。
 
Q すぐに作品をつくられたのですか
 
木工教室で木の扱い方やかんなの砥ぎ方を学んだり、知り合いの木工所に頼み込んで電動かんなの扱う方を教えてもらったりと、木工の基本を学びました。そんな中、薄くスライスした木の透けた感じをランプシェイドにつかったもの、吉野の美しい木の素材をいかす作品をつくるようになりました。2年ぐらいしてコンテストに参加し、その1年後には初の個展を開きました。その頃から、吉野の和紙もつかって、あかりをつくるようになりました。あかりだけでなく、スライスした木の板を張り合わせた「光壁」というのもつくったところ、旅館などでつかっていただけるようになりました。県外の百貨店の催事にも呼んでいただくようになり、少しずつ作品のバリエーションも広がっています。

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Q これからの夢は
 
わたし自身、学生のころには気付かなかった吉野や吉野の木や和紙の魅力を、あかりを通して、ひとりでも多くの人に知っていただきたいと考えています。吉野生まれの素材を張り合わせると、そこに生まれるのは、吉野の夕陽色をした炎の揺らぎです。多くの人に癒しを感じていただき、吉野のことを知っていただきたい。寝る前の1、2時間は、部屋の明るい照明を消し、夕陽色のあかりで暮らすと、より熟睡できるんです。これからも、吉野を思う心を作品に込めて創作を続けていきます。

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Q あかりをつくろうと

      思われたきっかけは

 

 わたしの実家は吉野の製材所で、幼いころから吉野の材は身近にありました。短大を卒業して、インテリアの仕事がしたいと考え、設計事務所を経て専門学校へ通ったんです。そこで、照明デザインに出会い、照明というのは単なるインテリアではなく、心理学だと教えてもらったんです。居心地の良い空間に重要な要素となるのは、くつろげる照明であると。その時「ライトテラピー」という言葉を学び、ああ、これだ、と強く惹かれたんですね。

 

Q ライトテラピーですか

 

 ひと言でいうと、人に癒しを与えるあかりというのでしょうか。電気のない時代、太陽、月、炎というのが自然の中にあるあかりでした。ところが、ここ百年ぐらいの間に人間は日没後も電気による人工の白いあかりを浴びるようになったんですね。自然界にはない、そういう不自然なあかりが今の私たちの周りには多すぎるんです。暗いあかりというのかな、そういうあかりが実は必要なんだ、と。ちょうどそのころ、吉野の良さにも気付き始めていたんです。高校時代から大阪に十年通っていて、田舎だと思っていた吉野が、実は歴史的にも特別な所で自然も美しいって、それで、オレンジ色といえば、吉野の夕日だと思い、幼いころから親しんでいた吉野ヒノキをつかってその色を出してみようと、思い立ったんです。わたしがつくるあかりでストレスの緩和のお手伝いができればいいな、とも思いました。

 

Q すぐに作品をつくられたのですか

 

 木工教室で木の扱い方やかんなの砥ぎ方を学んだり、知り合いの木工所に頼み込んで電動かんなの扱う方を教えてもらったりと、木工の基本を学びました。そんな中、薄くスライスした木の透けた感じをランプシェイドにつかったもの、吉野の美しい木の素材をいかす作品をつくるようになりました。2年ぐらいしてコンテストに参加し、その1年後には初の個展を開きました。その頃から、吉野の和紙もつかって、あかりをつくるようになりました。あかりだけでなく、スライスした木の板を張り合わせた「光壁」というのもつくったところ、旅館などでつかっていただけるようになりました。県外の百貨店の催事にも呼んでいただくようになり、少しずつ作品のバリエーションも広がっています。

 

Q これからの夢は

 

 わたし自身、学生のころには気付かなかった吉野や吉野の木や和紙の魅力を、あかりを通して、ひとりでも多くの人に知っていただきたいと考えています。吉野生まれの素材を張り合わせると、そこに生まれるのは、吉野の夕陽色をした炎の揺らぎです。多くの人に癒しを感じていただき、吉野のことを知っていただきたい。寝る前の1、2時間は、部屋の明るい照明を消し、夕陽色のあかりで暮らすと、より熟睡できるんです。これからも、吉野を思う心を作品に込めて創作を続けていきます。